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ドイツの街を巡る② -Potsdam, Frankfurt, Münchenとおまけ-


こんにちは!さて、今日は前回の予告通りPotsdam(ポツダム)、Frankfurt(フランクフルト)、München(ミュンヘン)と、おまけでクリスマスマーケットについて書いてみようと思います。

 

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Illustration by Murat Kalkavan from https://icons8.com

Potsdam(ポツダム) ーベルリンのご近所さんー

ポツダムへは、Volkswagenの本社があることで有名なWolfsburg(ヴォルフスブルク)で泊まらせていただいたおばあちゃんと一緒に行きました。ポツダムへ向かう電車の中、おばあちゃんが「ほら、もうすぐ旧東ドイツの国境に入るはずよ」と言って、じっと外を眺めていたのを覚えています。私も一緒にじっと外を眺めて、ノスタルジックな気持ちをおすそ分けしてもらいました。

 

ポツダムで最も賑わっている観光スポットは、やはりSanssouci Palace(サンスーシ宮殿)ではないでしょうか。これは、プロイセン王国時代にフリードリヒ2世が建築したロココ調の奢侈な建物で、当時は彼の「夏の離宮」として利用されていました。もし宮殿の食卓でご飯が出来上がる頃に宮殿前に広がる庭の端っこで日向ぼっこでもしていたら、食卓に到着する頃にはすっかりご飯が冷め切ってるんじゃないかと思います。つまり、離宮」にしては笑っちゃうほど広大なサイズ感です。

 

そういえば宮殿のそばに意外にも素朴なフリードリヒ2世のお墓があったのですが、そこにはたくさんのジャガイモがお供えされていました。なんともドイツらしい光景です。

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Friedrich der Große(フリードリッヒ2世)のお墓にはたくさんのジャガイモが添えられている

 

もう一つ歴史的な建物であり今では観光スポットでもあるSecilienhof(セシリエンホフ)は、あのポツダム会談が行われた場所として有名です。実際に会談が行われた部屋も当時のまま残されていて、特に歴史狂でない私でも心が震えるのを感じました。日本人としては一度は訪れてみたい場所かもしれません。

 

一通り観光した後は、適当なカフェに入って、テラスで生クリームがこれでもかというほどのったポピーシードのケーキを食べてゆっくりしました。

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ポピーシードのたっぷり入ったケーキ

Frankfurt(フランクフルト) ー過去と現在が混在する街ー

フランクフルトといえば、ドイツのビジネスのへそというイメージが真っ先に思い浮かびます。確かに他のドイツの街に比べると、無機質な高層ビルが多く立ち並んでいて、現代的なビジュアルです。もちろん、これとは別に旧市街の街並みはきちんと保存されています。

 

代表的な観光スポットは、中世の木組みの建物が現存しているRömerberg(レーマー広場)です。神聖ローマ帝国皇帝の戴冠式が行われた歴史的な広場でもあるようです。天気の良い日に広場にあるレストランのテラスでビールでも飲んでゆったりするのも気持ちがいいかもしれません。

 

それと、フランクフルトはマイン川沿いをゆっくりお散歩するのがおすすめです。できれば夕暮れがいいです。川沿いには緑があって、川には歩行者専用の剥き出しの鉄の橋がかかっていて、遠くには教会の時計塔が見えて、お散歩するのにぴったりな景観です。

 

実は、フランクフルトという地名はドイツの中では2つあって、こちらのフランクフルトは正式にはFrankfurt am Mainと言います。これは、マイン川沿いのフランクフルトという意味で、ポーランドの国境沿いにあるもう一つのフランクフルト、Frankfurt an der Oder(オーデル川沿いのフランクフルト)と区別をつけるためにこのような名称になっているのです。

 

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旧市街北、路面店の並んだ通り

旧市街エリアとその付近は概して平和的な雰囲気が漂っていますが、フランクフルト中央駅付近はなかなか危険な香りがします。怪しいお店があったり、怪しい人がうろついていたりします。このエリアを歩いている時は、私も変なことに巻き込まれないように早歩きで、「自分も危ないヤツだ」といわんばかりの緊張感を持った表情で颯爽と歩いていました。これは止むを得ず治安の悪そうな場所を歩く時の苦し紛れの対処法です...。刃物らしきものを持っている人とすれ違った時は私もここで死んじゃうんだと思いましたが、生きて帰ってこれて良かったです。

 

München(ミュンヘン) ードイツらしさで溢れる街ー

ミュンヘンは日本人での知名度が抜群に高いですよね。ドイツ旅行を計画する時、まずミュンヘンに降り立ち、そこからロマンチック街道に合流してシンデレラ城のモデルとされているSchloss Neuschwanstein(ノイシュバンシュタイン城)までえっさと足を運ぶルートが最も無難で人気なんじゃないでしょうか。

 

そんな旅行プランにも組み込まれがちなミュンヘンですが、全てのドイツらしさはミュンヘンにあり、と言っても過言ではないぐらい、ザ・ドイツな要素が詰まった街です。例えば年に一度の一大イベントであるオクトーバーフェストはここミュンヘンで行われています。ここではほとんどの人がドイツの伝統的な衣装を着て、お酒や音楽を楽しみます。男性はLederhosen(レーダーホーゼン)と呼ばれる肩紐がついた皮の半ズボンにチェックシャツ、女性はDirndl(ディアンドル)と呼ばれる中世の町娘っぽいドレスを着るのが普通です。騒ぎがヒートアップすると、多くの人が机の上に登り足をドンドンさせながら大声で合唱し出すのもちょっとしたみどころです。

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オクトーバーフェストの様子

 

それからパッと思いつくドイツの伝統料理の多くはミュンヘン、正確にはミュンヘンの属するバイエルン州発祥のものが多いです。茹でてから皮を剥いて甘いマスタードと共に食べる白ソーセージや、ドイツのビアホールには必ずと言っていいほどあるローストした豚の骨付肉、Schweinehaxe(シュヴァイネハクセ)がその例です。

 

ミュンヘンは建物の規模がいちいち大きくて、歩いていると自分が縮んでしまったような錯覚に陥るぐらいです。心なしか歩きまわった後の疲労感も2割増しぐらいの感があります。

 

 

おまけ ークリスマスマーケットについてー

ドイツの冬は寒かったです。ユニクロのウルトラライトダウンを二枚重ねしてさらにコロンビアのダウンジャケットを着ていたとしても十分でない日もあり、外を散歩する気はほとんど起きません。毎日のように曇りで憂鬱な天気が続く冬ですが、唯一の救いはオクトーバフェストと並ぶかそれ以上の一大イベントであるクリスマスマーケットが開催されるということでした。

 

クリスマスマーケットというと有名どころ、例えばミュンヘンニュルンベルク、もしくはベルリンのものを想像しますが、実はボンのように小さな街でも割合立派なクリスマスマーケットが開催されています。しかも開催期間はほとんど一ヶ月で、住んでいる人からしたら後半はその騒ぎように少しうんざりしてしまうんじゃないかというぐらい堪能できます。

クリスマスマーケットで外せないのがGrüh Wein(ホットワイン)です。これは通常のワインにスパイスを加えて温めたもので、熱いマグやジョッキを両手で包みながら外のカウンターテーブルで喋りながらちびちび飲むのが楽しいです。アルコールとスパイスのダブルパンチで体もほかほかにあったまります。入れ物は街によってデザインが違うので、気に入ったものがあれば返却せずに持ち帰るといいかもしれません。

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ボンのクリスマスマーケットで使われているマグ。右上にはベートーベンの像が。

ホットワインに限らず、出し物の種類は多種多様です。ソーセージを固いパンに挟んだものや、焼きたてのワッフルや、フルーツを串刺しにしてチョコソースをかけたものや、それから食べ物以外にも冬用の防寒小物や、おみやげにできそうな雑貨などなどあります。雑踏を縫うように歩きながら、気になる屋台を冷やかしているだけでも楽しむ事ができるのではないでしょうか。

 

クリスマスマーケットのおかげで、ドイツの冬といえば、ぴかぴか光るオーナメントや、暖かそうなミトンやマフラーをこんもりと並べた屋台のことを思い出し、あたたかい気分になれます。開催中、広場はいつも混んでいるし、慣れてしまうとうんざりすることもあったけれど、いざ終わって屋台が跡形もなく消えてしまうと少し寂しく感じたのを覚えています。

 

 

以上、二回に分けてドイツの街をいくつか紹介しました。最近はCOVID-19の影響でVR旅行も流行っているそうですが、こうして振り返っていると、やはり実際に旅行することに勝るものはないと思います。そこで出会う人だったり、街の匂いや色だったり、思いがけないハプニングだったり、、 そういう要素が旅行を旅行たらしめているのではないでしょうか。

 

少し長くなってしまいましたが、この記事を読んで少しでもドイツに興味を抱いたり、もしくは旅行気分を少しでも味わって頂けたならとても嬉しいです。読んでいただきありがとうございました。